平成28年12月改訂版
理容師実技試験審査マニュアル
理容師実技試験部会
原版PDFの内容を週刊スタイリスト情報編集部でHTML化したものです。)
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第1 用具類の審査マニュアル

実技試験で使用する用具類は、理容師実技試験委員と衛生実技試験委員が、それぞれ専門の立場から不足用具類の有無、規格の適合状況、作業を有利にするための不正行為の有無等について審査します。

モデルウイッグ及び用具類には、個人を特定することができる氏名、学校名、店名及びこれらを表わす記号等が記入されているものは公正な審査を阻害するおそれがあることから、これらの個人特定情報の記入を禁止し、記入があった場合は規格不適合となります。また、個人特定情報を容易に剥がすことができるテープ等で覆っていたり、インク等で塗りつぶしていても内容が判別できる場合も規格不適合とみなします。

なお、試験の条件及び遵守事項並びに持参用具類の品目、数量、規格等は、試験ごとに見直しが行われ、最新の情報は各試験回ごとに配布する「受験案内」に記載していますので、必ず内容を確認してください。

1 モデルウイッグの審査

時期審査の内容留意事項
準備時間前
(1) モデルウイッグの有無の確認
(2) モデルウイッグ標準仕様適合状況の確認
モデルウイッグの台座の正面に「理容師実技試験用R − * * * 標準仕様適合モデルウイッグ」と記載されたシールが貼付されていることを確認し、貼付されていない場合は、条件違反とする
(3) モデルウイッグに対する不正行為の有無の確認
次の事項に該当している場合は、条件違反とする
  1. 許容範囲を超えた事前処理
    • フロント、トップ、クラウンの毛髪の調節後の長さが10cm未満
    • ネックライン及びネープの毛髪の調節後の長さが2.5cm未満
    • ネックシェービング部位及び顔面部位の毛髪の調節後の長さが2mm未満
    • 梳き刈等による毛量調節
    • 毛髪に薬液処理又はアイロン技術の痕跡
    • 毛髪に水もしくは化粧品の塗布
  2. 作業の目安となるもしくはそのおそれのある植毛、脱毛、染毛、毛髪の切断又はマーキング等の加工もしくは処理
・作業の目安となるマーキングや許容範囲を超えた事前処理が行われていると判別できた場合は規格不適合とみなします

2 用具類の審査

(1) 全技術共通の用具類及びカッティング技術用用具類

時期審査の内容留意事項
準備時間
(1) 全技術共通用具類及びカッティング技術用用具類の品目の有無及び数量の確認

次の用具類の品目の有無及び数量の不足がないか確認し、不足している場合は条件違反とし、用具の「品目不足」又は「数量不足」とする

【全技術共通用具類】
  • モデルウイッグ用取付金具(1個)
  • セットコーム(1本)
  • スプレイヤー(1個)

【カッティング技術用具類】
  • エレクトリッククリッパー(1台)
  • カッティングシザーズ(1丁)
  • セニングシザーズ(1丁)
  • カッティングコーム(2本)
  • カッティングブラシ(1個)
  • 毛払いブラシ(1個)
  • 器具ブラシ(1個)
  • 乾燥タオル(2枚)
(2) 全技術共通用具類及びカッティング技術用用具類の規格適合状況の確認
  • 規格が定められているカッティング技術用用具類の規格適合状況を確認し、規格に適合していない用具類又は規定されていない用具類を机上に出している場合は、条件違反とする

(2) シェービング、顔面処置及び整髪技術

時期審査の内容留意事項
準備時間
(1) シェービング、顔面処置及び整髪技術に必要な用具類の有無及び数量の確認

次の用具類の品目の有無及び数量の不足がないか確認し、不足している場合は条件違反とし、用具の「品目不足」又は「数量不足」とする

【全技術共通用具類】
  • モデルウイッグ用取付金具(1個)
  • セットコーム(1本)
  • スプレイヤー(1個)

【シェービング、顔面処置及び整髪用具類】
  • シェービングカップ(1個)
  • シェービングブラシ(1個)
  • シェービング用石けん(適量)
  • 替刃式レザー(1丁)
  • レザー拭き用ティッシュペーパー(適量)
  • 顔面処置用乳液(適量)
  • 濡れタオル(2枚)
  • シェービング用毛取り紙(1枚)
  • 固形ヘアワックス(適量)
  • セット用ブラシ(1本)
  • 乾燥タオル(2枚)
(2) シェービング、顔面処置及び整髪技術に必要な用具類の規格適合状況の確認
  • シェービング、顔面処置及び整髪技術に必要な用具類の規格適合状況を確認し、規格に適合していない用具類又は規定されていない用具類を机上に出している場合は、条件違反とする

第2 技術の審査マニュアル

1 カッティング

項目審査のポイント減点対象配分点数及び減点
1 ミディアムカット (1) クリッパーワーク クリッパーラインの位置が浅く、後頸髪際から1cm未満
配分点数40点

5点単位で減点し、減点の上限を40点とする
(2) 基礎刈 すくい刈、指間刈、固定刈、連続刈のいずれかが正確に行われなかった
(3) 仕上げ刈
  1. クリッパーラインのぼかしが不十分
  2. 接合部が段になって残っている
  3. ネックラインが不揃い
  4. 基礎刈・仕上げ刈の作業時間中にセニングカットを行った場合
2 セニングカット セニングカット
  1. セニングカットが不十分
  2. すくい刈や指間刈によるセニングカットが正確に行われなかった
  3. セニングカットの作業時間中に仕上げ刈を行った場合
  4. 接合部より下にセニングカットを行った

2 シェービング・顔面処置

項目審査のポイント減点対象配分点数及び減点
1 ラザーリング ラザーリング
  1. 剃毛部分のラザーリングが不十分
  2. 耳、鼻、目に泡が付着している
配分点数20点

5点単位で減点し、減点の上限を20点とする
2 シェービング (1) ネックシェービング
  1. 各技法が適切に行われていない
  2. 剃り残しがある
  3. 石けんの拭き残しがある
(2) フェイスシェービング
  1. 各技法が適切に行われていない
  2. 逆剃りをした
  3. 剃り残しがある
  4. 石けんの拭き残しがある
3 顔面処置 (1) てん包・密着・清拭 てん包・密着・清拭の各技法が正確に行なわれなかった
(2) 乳液塗布・マッサージ 乳液の塗布・マッサージが正確に行われなかった
(3) 乳液拭き取り 乳液の拭き取りが不十分で拭き残しがある

3 整髪

項目審査のポイント減点対象配分点数及び減点
1 整髪 固形ヘアワックスの塗布 固形ヘアワックスを塗布していない
配分点数10点

5点単位で減点し、減点の上限を10点とする
2 分髪線 分髪線の位置と形状
  1. 分髪線が左サイド7:3に位置していない
  2. 分髪線が大きく歪んでいる

4 仕上がり状態

項目審査のポイント減点対象配分点数及び減点
1 カッティング (1) 総合的完成度
配分点数30点

5点単位で減点し、減点の上限を30点とする
1.接合部の位置 接合部の位置が基準から外れている
2.カッティング面 仕上げ刈部分に凹凸がある
(2) モデルウイッグの損傷 鋏による切り傷がある
2 シェービング (1) 総合的完成度
1.もみあげライン
  1. もみあげラインが水平でない
  2. もみあげラインが左右対称でない
2.ネックライン ネックラインに剃り込みがある
(2) モデルウイッグの損傷 レザーによる切り傷がある
3 整髪 仕上がり状態
  1. 仕上がりがソフトでない
  2. 全体のバランスが悪い
4 モデルウイッグの汚れ モデルウイッグの汚れ モデルウイッグに著しい毛髪の付着がある場合 該当する場合には5点減点とする

第3 実技試験課題の設定条件

1 試験時間

  1. カッティング 25分間(基礎刈・仕上げ刈20分間、セニングカット5分間)
  2. シェービング及び顔面処置 15分間
  3. 整髪 5分間

2 試験の条件

(1) カッティング

  1. スタイルは、基礎刈・仕上げ刈及びセニングカットによるミディアム分髪スタイルとすること。
  2. 頭髪は、頭部全体で2cm以上刈ること。
  3. クリッパーラインは、後頸髪際から1cm以上とし、クリッパーで2mmに刈ること。
  4. クリッパーは、後頸髪際以外に使用しないこと。
  5. クリッパーは、ぼかし作業開始後は使用しないこと。
  6. クリッパーラインは、線が目立たないようにぼかすこと。
  7. 接合部の位置は、ミディアムヘアの範囲とし、形状は左右対称の曲線で段にならないように処理すること。
  8. 面を形成する髪際部、短髪部及び長髪部は、凹凸や段が残らないように処理すること
  9. もみあげは、目尻からの水平線と耳の中心をとおる水平線の範囲内で左右対称となるよう水平にカットすること。
  10. 接合部以上の長髪部位にセニングシザーズを用いてセニングカットを行い、自然な仕上がりとなるように毛量を調整すること。

(2) シェービング及び顔面処置

  1. ネックシェービング、フェイスシェービング及び顔面処置を行うこと。
  2. シェービングは1回剃り(ワンシェービング)とすること。
  3. 逆剃りは行わないこと。
  4. 前額部及び後頸部のシェービングは行わないこと。
  5. 濡れタオルによるてん包、密着及び清拭の全ての技法を用いること。
  6. 乳液の塗布、マッサージ及び拭き取りを行うこと。

(3) 整 髪

  1. スタイルは、左サイドに7:3の分髪線のあるミディアムスタイルとする。
  2. 固形ヘアワックスを使用し、ソフトに仕上げること。
  3. 作業終了後は、顔面及び頸部に付着した毛髪を拭き取ること。

第4 理容師実技試験用標準仕様モデルウイッグ

1 標準仕様

理容師実技試験におけるカッティング課題は、受験者の技術レベルが同一程度ならば使用するモデルウイッグの毛量や毛質といった要素により仕上がり状態に差が生じることは容易に判断でき、受験者間の公平性が保たれないのは言うまでもありません。

一方、試験委員側からすると、審査の際に作品の完成度にモデルウイッグの個体差を加味することなど不可能であると言わざるを得ません。そこで、理容師実技試験部会において、モデルウイッグの頭部の大きさ、毛量、毛質、植毛方法等に一定の基準を設け、それを理容師実技試験用モデルウイッグの標準仕様(以下「標準仕様」という。)と定めました。

試験では、受験者間の公平性を確保するため、標準仕様に適合したモデルウイッグを使用することとし、現在、標準仕様に適合しているモデルウイッグの型式番号及び販売会社を、センターホームページ及び毎回の試験で配布する受験案内で周知しています。

2 標準仕様適合番号の表示

標準仕様に適合したモデルウイッグには、型式番号及び販売会社が表示された「理容師実技試験用標準仕様適合シール」が貼付されています。標準仕様に適合していないモデルウイッグ及び標準仕様に適合しているモデルウイッグであっても、適合シールがないものは使用することができません。

なお、適合シールの様式は次のとおりで、標準仕様モデルモデルウイッグの台座の正面に貼付されています。

標準仕様適合番号表示シール例 理容師実技試験用 R-XXX 標準仕様適合 モデルウイッグ